量子テクノロジー
本日紹介するのは、武田俊太郎著「量子コンピュータが本当にわかる!」。 著者の武田先生は量子テレポーテーションで有名な古澤研のOBで、最近独立した研究室を立ち上げた若手研究者である。以前紹介した藤井先生が理論の専門家であるのに対し、武田先生は光…
本日紹介するのは、藤井啓祐著「驚異の量子コンピュータ」。 著者の藤井先生は量子誤り訂正の理論を専門とする研究者であり、量子コンピュータの理論分野では日本を代表するトップランナーである。本書は主に「ゲート型」とか「万能型」と呼ばれるタイプの量…
その1~素子構造~ その2~超伝導リング詳細~ その2.5~ノイズ耐性~ その3~初期化~ その4~データの書き込み・演算 では最後に、量子ビットに書き込んだデータを読み出す技術、つまり「量子を観測する」とは実際にはどういうことなのか、を見てい…
その1~素子構造~ その2~超伝導リング詳細~ その2.5~ノイズ耐性~ その3~初期化~ では、初期化した量子ビットにデータを書き込んで演算を行う工程、つまり量子ゲートがいかにハードウェアで実現されるかを見ていこう。基本的には以前紹介したシリ…
その1~素子構造~ その2~超伝導リング詳細~ その2.5~ノイズ耐性~ では、具体的に超伝導磁束量子ビットの制御方法を見ていこう。まずは、量子ビットにデータを書き込む前に強制的にリセットを行う過程である「初期化」について説明する。 なお、量子…
その1~素子構造~ その2~超伝導リング詳細~ 前回の記事では、超伝導リングに加える磁場を変化させることによって量子ビットのエネルギーの上下関係が入れ替わることを説明した。磁場を強くしていく途中で右回りの電流と左回りの電流のエネルギーが等し…
その1~素子構造~ では、超伝導リングをもっと詳しく見ていこう。はじめに、量子ビット(+SQUID)の拡大写真を再掲しておく(図2)。図の右側は回路図表記である。 図2 左:量子ビット拡大写真(文献[1]より転載)、右:回路図 ジョセフソン接合 超伝導…
はじめに 量子コンピュータのハードウェア解説シリーズ第二弾は、超伝導回路。現状開発が進んでいる量子コンピュータの殆どは超伝導回路を用いたものである(最近話題の量子ニューラルネットは除く*1)。 ただし、一口に超伝導量子ビットと言っても、様々な…
はじめに 今回紹介するのは、石井茂著「量子暗号」だ。 量子力学全般、あるいは暗号全般について解説した本の中で、話題の一つとして量子暗号についても触れているものは多い。しかし、丸々一冊分「量子暗号」の解説だけに特化している本というのは貴重だ。…
その1~素子構造~その2~スピンとは何か~その3~データの初期化と読み出し~その4~データの書き込み・演算~ 前回の記事からだいぶ時間が経ってしまった…。まあ1ヶ月は経ってないからセーフかな。 今回は量子ゲートが実際にどのように実装されている…
その1~素子構造~ その2~スピンとは何か~ その3~データの初期化と読み出し~ さて、今回は量子ビットへのデータの書き込みや演算、すなわち「量子ゲート」を現実のハードウェアでいかに実現するか、という部分を解説する。これが終われば、一通り「量…
その1~素子構造~ その2~スピンとは何か~ 今回は量子ビットの初期化と読み出しについて解説する。本当は初期化→データ書き込み(演算)→データ読み出しの順で説明したかったのだが、本デバイスは設計上初期化と読み出しを切り離すことが難しいので、書…
その1~素子構造~ 前回の記事で述べたように、シリコンチップの量子ドットという構造の中に電子が閉じ込められている。シリコン量子コンピュータでは、この電子がもつ「スピン」にデータを埋め込むわけだが、そもそも「スピン」とは何なのだろうか。 電子…
はじめに 量子コンピュータについて、”0と1を同時に計算する”という程度には知っている人も多いだろう。しかし、具体的に量子コンピュータのチップにはどんな回路が載っていて、どのようにハードウェアが駆動するのか?という部分は殆ど知られていないのが現…